【全ギタリストにオススメ】ギター無窮動トレーニング 【教則本レビュー】
今まで200冊以上教則本を購入してきた自称教則本オタクのレビューです。
今回は皆さんご存知だとは思いますが、「ギター無窮動トレーニング」をレビューしたいと思います。
筆者はジャズギタリストとして活躍している道下和彦さんです。
ベストセラーですが、使い方がよく分からないという声も聞きます。
なのでどういった本なのか解説、レビューをしたいと思います。
対象者ですが、全ギタリストです。
初心者から上級者の方までオススメしたい1冊です。(理由は後ほど解説します。)
早速ですが、この本がどんな内容の本かざっくり言うと「休符なしでコード進行に沿った音を永遠に弾き続ける」と言った内容の本です。
リピート記号で頭に戻ると本当に永遠に弾き続けることが出来ます。
この教則本を活用する事で得られる事を1つずつ紹介したいと思います。
イヤートレーニング
コード進行に沿った音を選んでメロディーが構築されているので、tab譜を読んでそのまま弾くだけで、コード進行に沿ったソロを体験することが出来ます。
簡単に言うと弾くだけで耳が鍛えられて、気付けばコード進行に沿ったソロが頭の中に流れるようになります。
これは理論等分からない初心者でも出来ることで、かなり効果的です。
コードに合ったフレージング
アドリブソロをなんとなく弾けるという方の中で、keyのメジャースケールやペンタトニックスケール1発では弾けるけど、コードを意識すると全く弾けないという方は多いと思います。
そういう方がコードトーンを意識したフレージングを学ぶのに最適な一冊だと思います。
ただコードトーンを弾くだけではなく、クロマチックアプローチやアプローチノートを織り交ぜて、かっこいいフレーズになっているので練習のモチベーションが上がるのもオススメな点です。
右手と左手のウォーミングアップ
休符なしでひたすら8分音符で書かれている為、練習前のウォーミングアップとしても使えます。
初心者の方は譜面通り弾いてウォーミングアップ、上級者の方はコード進行、今どんなスケールてどんなテンションを使用してるか等を意識して弾くと頭のウォーミングアップにもなります。
リハーモナイズのアイデア
これは中上級者向けですが、リハーモナイズのアイデアとして使うことが出来ます。(通称リハモ)
リハーモナイズというのは既存のコードを別のコードに置き換えるテクニックです。
例えば無印の無窮動トレーニングでは定番のコード進行に沿ったソロを記載していますが、
その中の例として
key=CのI Ⅵ Ⅱ Ⅴ(CM7 A7 Dm7 G7)に対して(C B♭ E♭ D♭)というようにリハモしています。
リハモのアイデアを持っているとマンネリ化してきた時に役に立ったり、一緒に演奏してる人のソロや伴奏に反応出来たりします。
フレーズ作りの困った時の辞書
休符なしでひたすらフレーズが書いているので、言い方を変えると膨大な数のフレーズ集とも言えます。
例えば曲を練習していてここのコードでどんなフレーズを弾けばいいのか分からないと言うときに、辞書代わりに調べて気に入ったフレーズを使ってみるという使い方も出来ます。
初心者の方はアドリブソロを弾く前に書きソロを書くときにも使えます。
もちろん応用するとアイデアを伴奏でも使うことが出来るので、うまく活用する事でこの一冊でソロからバッキングまで上達する事が可能です。
実際に僕はこの無窮動のアイデアでかなり上達させて頂きました。
次は無窮動のシリーズを紹介したいと思います。
「ギター無窮動トレーニング」
無窮動トレーニングとして1冊目に出版されたシリーズです。
この本は定番のコード進行に沿って休符なしの8分音符でノンストップで弾くという本です。
無窮動トレーニングの基本となっている本なので、どの本を購入するか迷ってる方はまずこの本をオススメします。
ジャズで定番の1625、2516、リズムチェンジ、ジャズブルース、ジャズスタンダード等のコード進行の上でソロが構築されています。
イヤートレーニングとして使う場合もこちらの本がオススメです。
「ギター無窮動トレーニング2」
2冊目に出版された赤色の本です。
こちらはちょっとコンセプトが変わって、コード1発(CM7のみ、C7のみ等)の上で8分音符を弾くという本になります。
コード進行がなかったら簡単と思う方もいると思いますが、実はコード進行がない1発ものの方が難しかったりします。
コード進行があるとコードに合った音を選ぶだけで言い方が悪いですが、それっぽくはなります。
しかし1発ものはアイデアが豊富じゃないと聴いている人が退屈なソロになりがちです。
この本ではコード1発の上で様々なスケールチェンジをしたり、コードをリハーモナイズしたり様々なアイデアを習得することが出来ます。
そういった意味では中上級者向けだと言えると思います。
「ギター無窮動基礎トレーニング」
今までの本は8分音符でしたが、こちらは基本編ということで4分音符で構成されています。
音符の長さが半分になった事で初心者でも簡単に弾く事が出来るのがこの本の特徴です。
ですが4分音符になったということは、1小節に入る音が4つしかないということなので、音選びの面に関しては、より厳選された音選びになっています。
テクニック面では簡単ですが、ソロを構築する上での音選びと言う面では、無窮動トレーニングシリーズで1番の難易度とも言えます。
なのでこちらの本はテクニックに自信のない初心者からソロを構築するのに行き詰まってる上級者までお勧めできる一冊です。
まとめ
この教則本は全ギタリストにオススメしたいシリーズです。
ジャズを演奏する人にはもちろん、ポップス、ロック、ファンク、フュージョン等、様々なジャンルを演奏するギタリストにオススメです。
tab譜が付いてるギター向けの本と五線譜のみの全楽器対象の本がありますが、ギターは異弦同音と言って同じ音階が違う弦でも弾けたりするので、読譜を目的としないなら運指も分かるギター向けの方をオススメします。
ただ最初のページから順番にやるといったような本来の教則本のような使い方はオススメしません。
付属の音源を聴いて自分の好きなコード進行を集中的に練習したり、フレーズ作りに行き詰まった時に辞書代わりに使ったり、自由なページから進めることをオススメします。