【ジャズギターの弦】ジャズギタリストが選ぶオススメの弦3選

ジャズギターの弦選びで困ってる方も多いと思います。
僕も様々な弦を試してきましたが、その中でオススメ出来る弦をフラットワウンド弦ラウンドワウンド弦各3つずつ紹介したいと思います。

フラットワウンド弦とラウンドワウンド弦の違い
ジャズギターを始める方の多くは、元々ロックギターを弾いていた方が大半だと思います。
長年ロックギターを弾いていても、弦が大きく2種類に分かれる事を知らない方も多いと思います。

かなり簡潔にいうと、
ロックギターで使われるのがラウンドワウンド弦
ジャズギターで使われるのがフラットワウンド弦

です。

でも最近はこの考え方も変わってきて、僕自身もラウンドワウンド弦ジャズギターで使用しています。

この辺のお話も後ほどしますので、ざっくり「こんな違いがあるんだな」くらいで思っておいてください。


上記で説明したようにフラットワウンド弦はジャズギターに適した弦です。

皆さんが想像するようなジャズの歴史に残るようなジャズギタリストはフラットワウンド弦を張っていると考えてもらっても大丈夫です。
(Grant Green、Joe Pass、Barney Kessel等)

ジャズギターといえばフルアコ+フラットワウンド弦という組み合わせが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。

フラットワウンド弦の特徴としては巻線の断面が四角になっているので、弦の表面がツルツルした触り心地です。

サウンドは中低音に寄っていて、サスティンが短く、表面がツルツルなので弦移動した時のキュッと鳴るフィンガーノイズもありません。
弦が錆びにくいのもこの弦の特徴です。

王道のジャズギターサウンドを出したい方にはオススメです。

ラウンドワウンド弦


エレキギターの弦を思い浮かべた時に真っ先に思い浮かぶのはこの弦だと思います。

フラットワウンドとは真逆といってもいいくらい違いがあります。

ラウンドワウンド弦の特徴は、巻線の断面が丸くなっているので、弦の表面がザラザラした触り心地です。

サウンドはフラットワウンド弦に比べて明るめで、サスティンも長く、表面がザラザラなので弦移動した時はキュッと鳴るフィンガーノイズはあります。

ジャズ以外のジャンルで使われるイメージの弦ですが、最近はジャズでも多く使われています

僕自身もフルアコにラウンドワウンド弦を張っていて、イメージとしてはオールドスタイルはフラットワウンド弦、最近のコンテンポラリースタイルはラウンドワウンド弦を張っている人が多いと思います。

ジャズギタリストでいうと
Mike Moreno
Jonathan Kreisberg
Tom Ollendorff
等を聴くとイメージが湧きやすいと思います。

弦のゲージ


ジャズギターの弦はロックギターと比べて太い弦を使う傾向にあります。
ジャキっとした歯切れのいい音より、太くて丸い音の方が好まれるからです。

ロックギターだと1弦のゲージで0.08、0.09、0.10辺りが定番かと思いますが、ジャズギターの場合、0.11、0.12、0.13、0.14くらいまで1弦に張ることが多いです。

もちろん細い弦を張る方もいるので最終的には好みですが、0.11-0.49、0.12-0.52辺りが定番でしょう。

オススメの弦3選


ここまで弦の違いとゲージについて話してきましたが、ここからは実際にオススメの弦をフラットワウンド弦、ラウンドワウンド弦、各3つずつ紹介したいと思います。

まずはフラットワウンド弦です。

Thomastik-Infeld フラット弦

まず1つ目に紹介するのはThomastik-Infeld(トマスティック・インフェルト)の弦です。

定番な弦はいくつかあると思いますが、僕の周りでフラットワウンド弦を張ってる方は殆どがこの弦を使用しています。

この弦の特徴は他社の弦と比べて、低音弦のゲージが細い事です。

フラットワウンド弦ゲージは、
0.11-0.50、0.12-0.52、0.13-056
という組み合わせが多いのですが、
Thomastikの弦は、
0.11-0.47、0.12-0.50、0.13-0.52
と低音弦側のゲージが細くなっている事が分かると思います。

太い音を出したいから太い弦を張っているのに、細くしてほしくないという声もあると思いますが、これにははっきり理由があります。

低音弦側が細くなる事によって、無駄な低音が出ずコードを弾いたときのバランスがかなりよくなります

また、フルアコを使うときにハウリングに悩む事があると思いますが、無駄な低音が出ないという事はハウリングがしにくくなります

サウンドは全体的に弦が細いからかブライトよりで、張りたての時はラウンドワウンド弦を張っているかと錯覚するくらいギラギラ感が強い明るいサウンドです。

フラットワウンド弦の音が好きな人は、この張りたての明るい音が苦手という人が多いので、その点だけはマイナス点です。

DADDARIO ECG25

2つ目に紹介するのはダダリオのフラットワウンド弦です。
フラットワウンド弦を初めて張る方はこの弦をオススメします。

というのもこのダダリオの弦が全てにおいて基準になっていると思っていて、それに対して「低音弦が細かったらなあ」とか「もうちょっとブライトなサウンドがいいなあ」とか思ってきたら他社の弦を試すという流れがいいと思っているからです。

安定感があり良くも悪くもスタンダードになる弦だと思いますので、迷ったらまずこちらをオススメします。

ROTOSOUND RS200 Top Tape

3つ目に紹介するのはロトサウンドのフラットワウンド弦です。

この弦の特徴は、弦を張った時から新品独特のギラギラ感が少ないという事です。

トマスティックを紹介した時にこのギラギラ感が強いのが苦手な方が多いと言うたのですが、そんな方にはオススメできる弦です。

触り心地ですが、ラウンドワウンド弦程ではないですがザラザラ感があります。

全体的に安定した音色で、古いスタイルの音楽をする方にはかなり適した弦だと思います。

次はラウンドワウンド弦です。

ELIXIR NANOWEB

現在僕が所持しているギター全てに張っている弦です。(アコギ、ガット以外)

中学生の頃から使用していた弦で、使用年数が長いからか僕の中でこの弦がギターのいい音のイメージになっていて、色んな弦を試しては結局この弦に戻ってきます。笑

エリクサーの特徴は、コーティング弦なので手汗が出やすい人でも錆びにくいのと、表面がツルツルして滑りやすい事です。

エリクサーにも種類があって、
POLYWEB(ポリウェブ)
NANOWEB(ナノウェブ)
OPTIWEB(オプティウェブ)
の3種類あります。

ざっくりいうと上から順にコーティングが強いのですが、全て試しましたが僕はNANOWEB一択でした。

エリクサーはコーティング弦っぽい音がするとか賛否両論ありますが、僕は好みの音と弾き心地なのでこれからも使っていく弦だと思っています。

強いていうなら使っていくとコーティングが剥がれて、ピッキングしている箇所に毛みたいなものが出てきますが、逆にいうと弦を変える合図でもありますので気になりません。

ちなみに使用しているゲージは0.11-0.49です。

Thomastik-Infeld ラウンド弦

フラットワウンド弦で紹介したトマスティックですが、ラウンドワウンド弦も素晴らしいです。

こちらもトマスティックの特徴である低音弦に細いゲージが採用されています。

ラウンドワウンド弦では珍しくジャズを演奏する事を想定して作られているので、著名なジャズミュージシャンも多く使用しており、僕自身もコーティング弦ではないラウンド弦の中では1番好みな弦です。

フラットワウンド弦からラウンドワウンド弦に乗り換えようと考えている方にも試して頂きたい弦です。

DADDARIO EJ21 

ギター弦の定番、ダダリオの弦です。

フラットワウンド弦でも解説したように、良くも悪くも基準になるサウンドです。

この弦の特徴は3弦が巻き弦のところです。
巻き弦というのは、触り心地がザラザラしている弦です。

ジャズギターでは3弦を巻き弦にする方も多く、自分がどちらに合ってるか試すのにもいい弦だと思います。

番外編

La Bella 800L Black Jazz Tapes

今回紹介したフラットワウンド弦、ラウンドワウンド弦とは違う、ブラックナイロン弦というものです。

ガットギターの1.2.3弦の質感をイメージして頂けると分かりやすいと思います。

触り心地はフラットワウンド弦に似てツルツルなのですが、弦のテンションがかなり弱くゆるゆるなので少し慣れが必要です。

サウンドはフラットワウンド弦寄りですが、ブラックナイロン弦独特の温かくて甘いトーンを楽しみ頂けると思います。

人と違ったサウンドを出したい方にもオススメです。

ELIXIR バラ弦

フラットワウンド弦の時に紹介してもよかったのですが、フラットワウンド弦の特徴として弦が錆びにくいというのがあります。

しかしそれは低音弦のみで、1.2弦だけ先に錆びてしまうという事があります。

そういう時にエリクサーの弦をバラで1.2弦だけ購入して、3-6弦だけフラットワウンド弦のセットを使用するという方法があります。

エリクサーのコーティング感がフラットワウンド弦と近い気もしていて、サウンドの相性も抜群ですので是非試して頂きたいです。

まとめ

ジャズギタリストがオススメするジャズで使える弦をフラットワウンド弦、ラウンドワウンド弦各3つずつ紹介しました。

中には弦1本1本バラ弦で揃えている方もいて、こだわり出したらキリがありません。

ですが、サウンドに直接影響する部分なので拘る価値は十分あると思います。

まずは定番の弦を使用してみて、ご自身の好みの弦を見つけてみてください。